リジェネラティブ農業について
リジェネラティブ農業は環境再生型農業とも呼ばれます。慣行農法との違いとして、畑を常に何かが生えている状態を保つことで、土壌の排水性能や保水性能を高め、土壌の有機物を増やすことでCO2を貯留し、気候変動を抑制する効果があると考えられている農法です。具体的には、不耕起栽培をはじめ有機肥料や堆肥の活用など古くからある農業技術がベースとなっています。
その中でも不耕起栽培は土壌へのCO2貯留という点においてだけでなく、農業従事者の省力化や土壌に生息する生物の多様性が促せるなどさまざまな面でメリットが多く、アメリカやヨーロッパで推奨され再生型農業として広く取り入れられている栽培方法です。
また、土壌の生物に影響を与えてしまう農薬の使用を見直し、現状からの減薬減肥を意識しています。土壌の変化は作物の収穫量に直接影響するため、土壌の研究と改善に努めています。
不耕起栽培とは、農地を耕さずに作物を栽培する農法です。農地を耕さないため、農作業の省略化や燃料削減、生物多様性の保全などに一定の効果があります。
また、CO2排出量を削減できる「脱炭素」の観点でも注目されています。不耕起栽培は、ほ場を耕さないことで炭素などの土壌有機物の分解を抑制できるため、有機物が土壌に貯留しやすくなります。そして一部が微生物に分解されにくい土壌有機炭素になり、土壌から発生する温室効果ガスを削減できるのです。
作物を栽培していない期間に農地を覆う作物を植えることで、畑地が風や雨水などによって侵食されるのを防ぎます。
また被覆作物の効果として、土壌を改善する目的があります。太陽光を浴びた被覆作物は土壌に向けて根をのばします。そして伸びた根から次の作物の養分となるための糖やエネルギーとなる物質を放出します。
土壌の生物多様性は、農業において病害の抑制や作物の健康維持に重要です。農薬の多用で微生物の多様性が失われると、特定の病気が流行しやすくなります。また、肥料を過剰に与えると、作物は菌との共生を必要とせず、この関係が損なわれることで栄養を得る力が弱まり、根が短くなることもあります。
このため、土壌の生物多様性を保ちながら、肥料や農薬の適正使用を心がけることが、持続可能な農業の実現と健康な作物づくりに繋がります。
緑肥とは緑の肥料と書く通り、新鮮な緑色の植物そのものを土壌にすき込み使用する肥料のことを指します。緑肥として栽培した作物は収穫せずに土壌にすき込み、次に栽培する主作物の肥料成分として活用します。
現在は豆科や稲科やハゼリソウなど10種類の植物やミックスカバークロップを植えて気候や土地に合わせた理想の配分を研究しています。